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住宅模型の床が反る問題を、設計で解決するまで

いまは、床がこうして反らずに刷れます。ここに来るまで、立てて刷り、寝かせ、のりを塗り、最後に床の形そのものを変えました。何が効いて何が効かなかったかを、試した順に書きます。

なぜ床だけ反るのか

ABS は冷えると 0.7% ほど縮みます。先に固まった下の層を、後から縮む上の層が引っ張る。この力は板が長いほど強く、大きさの二乗で効きます。壁(厚さ 3mm・高さ 6cm)は平気で、床(20cm × 20cm × 1cm)だけが反るのはこのためです。

試み 1: 45° に立てて刷る

最初は、床を 45° に立てて刷っていました。立てれば台に接する面が減り、寝かせたときの「四隅が浮く」反りは出ません。

結果は、サポートに材料の 3 分の 1 以上(264g のうち 95g)と 3 時間半を使い、それでも長い辺の向きに反りました。立てても、材料が縮むことは変わりません。

試み 2・3: 寝かせる、のり、テクスチャ PEI

寝かせて、スムーズ PEI プレートに反り防止ののりを塗って刷ると、まったく反りませんでした。寝かせる向きが正しいことは、ここで分かりました。ただ、底面がのりの跡で汚れます。

のりをやめ、テクスチャ PEI に脱脂だけで刷ると、底はきれいになり、代わりに四隅が 0.5mm ほど浮きました。組めないほどではありませんが、気になる量です。

ここからは、刷り方ではなく、床の形の側で対策しました。

対策 1: 裏に反り止めの溝

床の裏に、幅 1mm・深さ 2mm の溝を 20mm おきに縦横に彫ります。一続きだった底の皮が 2cm 角の区画に分かれ、縮む力が板全体にかからなくなります。溝は裏なので、組んだ模型には見えません。反りは隅から始まるので、四隅の 3cm は溝を倍の密度にしてあります。

対策 2: 一枚を小さく割る

反りは長さの二乗で効くので、一枚を小さくするのが一番の近道です。MyHome3D は床を 20cm を超えない大きさに割って書き出します。割った継ぎ目は蟻継ぎで、接着剤なしで噛み合います。部品の裏には「階 - 部品番号」と北向きの矢印が彫ってあるので、並べるときに迷いません。

対策 3: すべて寝かせて刷る形

床だけでなく、壁も屋根も寝かせて刷る前提で形を作ってあります。壁は下面が平ら、屋根は裏が平ら。どの部品も台に着きます(壁の窓の上だけはツリーサポートを付けます)。

今の結果

テクスチャ PEI、のりなし、Bambu ABS、充填 15%。刷り上がった床は四隅まで台に着いたままで、冷めて外したあとも反りはありません。

反りを抑える手順のまとめ

  1. 寝かせて刷る。立てるのは材料と時間の無駄でした。
  2. 裏に反り止めの溝(MyHome3D の書き出しに入っています)。
  3. 一枚を 20cm 以内に割る。
  4. プレートは脱脂し、刷り終わったら冷めてから外す。
  5. それでも気になるなら、材料を PETG に。ABS の半分以下しか縮みません。

次の記事では、間取りを描く所から組み立てまでの全手順を通して書きます。